Pull down

ホツレに引っ越してきてから、そろそろ1ヶ月経ちます。

元が住居としてしっかりしていれば、道具を揃えてすぐに解体、改修と行けると思うのですが、ホツレはそうはいきませんでした。

ホツレだけが原因というわけではなく、私も引っ越す前に生活に必要な家電等を揃えておけばよかったのですが・・・


しかし、家電があったとしても、ホツレの中にそれらを収納、配置できるスペースがなかったため、

まず日々の生活ができるようにすることが必要でした。

お金に糸目をつけなければ、寝る場所さえ確保すれば何とかなりますが、現実的ではありません。

最近になってようやく生活が可能な感じになってきました。それでも現在の日本の生活水準から見ればかなり低いでしょう。

気分はサバイバルとかアウトドアをしている感覚です。


一応なんとかなっているので、今日一部を解体してみました。

解体する気はなかったのですが、動かない引き戸をどうにか動かそうとしているうちに壁をめくって中を見たくなってきたので、

そのまま成り行きで解体することにしたという感じ。


和室の壁は、3mm程度の化粧合板で覆われています。そのうちの一面を剥がしました。

合板の下にあったのは、黒い梁と白い土壁です。梁成は180mmといったところ。黒と白の対比が印象的です。

以前の住人さんか、もっと前に住んでいた方かはわかりませんが、土壁を直す気はなかったようで

土が剥がれたところは紙や何かを張ってかくしていました。壁全体にベニヤ板や化粧合板を張っていることでもわかります。

湿式の土壁から乾式の石膏ボードが主流になる時代までの時間をホツレが経験しているのですから、住人も土壁がカッコ悪いだとか

面倒だと思って隠したのではないかと想像がつきます。メンテナンスは石膏ボードの壁の方がラクですから。


壁1面の合板を剥がすだけでもかなり苦労しました。梁のすぐ側に木下地を釘で打ち、その上に化粧合板が貼ってありました。

釘の1本1本が長く、抜けにくいです。もちろん釘が簡単に抜けては困るのですが、ここまで大変だとは思っていませんでした。

壁の他に、玄関から和室までの床の一部と玄関の棚を解体しました。この床も、後から作られたものです。


解体していくと、何だか前に住んでいた方たちの思いが伝わってくるような気がします。

何を思って化粧合板を張ったのか。どうして床や棚板を取り付けたのか。なぜその材料にしたのか。全て何かの理由があったはずです。

生活スタイルの変化も合ったと思います。私がそれを解体していくのは、時代から逆行しているのかもしれないという感じもありました。


何か間違ったのかなと思ったりもしましたが、今ココで住んでいくのは私なので、ホツレにもそれに付き合ってもらおうと思います。

これも一つの時代の流れ、生活スタイルの変化がまた訪れたということで。




思考と実験の場

生まれた時からあって、何の疑問もなく暮らしてきた家。

家、生活、暮らし。ごく当たり前だったものを、住環境が変わったことで改めて考えるキッカケができました。

今までと同じ暮らし方をしていたら、そのまま過ごしていたと思います。

生活の中心となる家。暮らすとはどういうことなのか。生きること、その哲学とは。