10月中は映画を観る機会がとても多かった。
ブログ中で記載した他に、下記の2作品をスクリーンで鑑賞した。
映画「ロッキー・ホラー・ショー」 監督:ジム・シャーマン
映画「野火」 監督:塚本晋也
野火は大音量上映だった。
ロッキー・ホラー・ショーはなんとなく名前は聞いたことがあった。
カナザワ映画祭の時にもちらっとタイトルを聞いたが、それ以前にも知っていたように思う。
京都国際映画祭で上映される1本で、サイトには参加することに意義がある映画という説明があった。
仮装やクラッカー紙吹雪を用意して・・・とあったが、どんな映画なのかもわからないので、
仮装する気は無かったが、するならどんな仮装をするのか、クラッカーや紙吹雪はどこで使うのか。
そういったことが全然わからなかったので、とりあえずどんな事が起こるのか期待半分不安半分の気持ちで劇場へ。
上映前にクラッカーを配っていたが、仮装しているような人は見受けられなかった。
ちょっと残念にも思っていたが、多分映画祭関係者の方が仮装していて、イベントをリードしていた。
劇中に出てくる城の主に扮した仮装で、登場シーンでは同じように観客席内で歩いたり踊ったりポーズをとったりと、
スクリーンと実際の劇場空間で同時にエンターテイメントが起こっている感じ。
初めはちょっと呆気にとられた。
映画の中で急にミュージカルシーンが始まるのだが、それに合わせて観客側が同じように歌ったり、手拍子をしたり、歓声を上げたり。
ミュージシャンやアイドルのライブの時のように、ペンライトを使う場面も有り、何だかおかしな空間にいることだけは把握した。
クラッカーは確か城の主が登場したシーンで使われたと思う。
ライスシャワーや水は劇場の都合上禁止されていたが、冒頭の結婚式のシーンや水をかけられるシーンで使うのだろう。
雨の中、新聞紙を頭の上にやりながら移動するシーンでは、観客も同じようにするらしい。
スクリーン上のセリフとの掛け合いなんかもある。
全然ストーリーと関係はなく、やり取りを楽しむ感じだ。
このノリに乗りきれないと全然楽しくだろうし、試写会では途中退場する人が後をたたなかったというので、
映画だけで観てもそんなに面白いとはいえないのだろう。
調べてみると意外と他の劇場でも月1回あるかないかくらいの頻度で上映されていて、
そういうところではもっと派手に仮装やパフォーマンスがありそうだ。
マッドマックスの爆音での上映の際に拍手が起きた時でも感動したのだが、
この時はそれとは別の感動があった。
次の映画、野火は元立誠小学校で鑑賞した。
ここで映画をやっている事自体もこの時知ったのだが、見逃したなと思っていた野火をたまたまやっていたので
すぐに観に行くことにした。
戦争映画ということだけは知っていたが、それ以外の前知識はなしにして観ようと思い、
前もって調べることはしなかった。
原作野火も、監督:市川崑の野火も観ていない。
その上で観てみたら、やっぱり想像していた戦争映画とはちょっと違った。
アメリカ映画のように敵と撃ちあったりするシーンはない。
食料が確保できず、飢餓状態になり仲間すら信用できなくなってしまった戦場。
劇中で土だらけの芋を食べるのだが、流石に今の時代これは食べられないなと思っていたが、
話が進むにつれて、だんだんその芋が美味しそうに見えてくる。
食べ物はそれしかない。
自分にも今なら食べられるのではないかという気持ちにもなってくる。
飢餓で衰えていく様子や、一方的に銃撃されるシーンはとても生々しい。
撃たれて負傷しても、それが致命傷だったとしてもすぐには命を落とさない。
変わり果ててしまった自分の体を見つめたり、撃ち落とされた体の一部を他者と取り合ったり。
見ていたくはないシーンだった。
主人公は助かり、最後に普通の食事をとるのだが、
何かに祈っているような、懺悔しているような、そのシーンが印象的だ。
観終わった後は食事には行こうと思っていたのだが、
流石にそんな気にはなれず放心してしまいそのまま真っすぐ帰宅した。