Beehive

ベランダに蜂の巣ができていた。

5月にもひとつ見つけたのだが、それはまだ嬢王蜂1匹しかいなかったため

何処かへ行っている隙に駆除することができた。


これで蜂に刺される心配がないと思っていた。

しかし、しばらくすると蜂がベランダを飛んでいることが何度かあった。

初めはこの辺を通っているだけかと思っていたが、

2、3日前に作っている途中の巣を発見。

大きさは前回と同じくらいで、大人の握りこぶしの半分程度。



そこではすでに嬢王蜂以外の働きバチが4匹程仕事をしていた。




蜂を見分けられるほどの知識はないが、調べた結果おそらくアシナガバチのようだ。

スズメバチに比べればおとなしく、巣に危害を加えたり、手で払ったりしなければ

刺してこないよう。


確かに巣から半径1m、それより近くに寄っても刺されなかった。


また、アシナガバチは益虫らしく、蝶や蛾の幼虫を食べてくれるらしい。


共生の道もあるようだが、やはり蜂の羽音に対する恐怖心がつよいので、

蜂には悪いがここでの巣作りは諦めてもらうことにする。




自然に去ってもらうことがベストと考え、まずは蚊取り線香を近くに置いてみた。

朝置いて、お昼に一度見てみたが特に変化なし。

半屋外で風も少しあるので、煙が蜂の巣の方までたどり着いてない。


お昼には少し乱暴な方法だが、水を遠くからかけてみた。

これは効果があったが、ホースの都合上かけられる水が少量だったので、

巣作りにはそれほど影響がなかったようだ。


観察してみると、蜂が巣の中に入った水を口から排出していた。

1回に約2滴。

時間もなかったので、役には立たないとわかりつつも一縷の希望を抱いて

蚊取り線香を2つ置いて家を出た。



夜。


調べたところによると、蜂は夜活動を休止するらしい。

眠るのだろうか。昆虫が眠るというのはなんだか想像しにくい。


が、生きている以上睡眠も必要だと思う。



巣を見て見ると、蜂が動いている。

まだ眠る時間ではないのか。それとも見張り役のように絶えず誰かが

起きているのだろうか。


お昼は水の量が少なく耐した結果は残せなかったが、夜。ヘッドを付けた

ホースで水をかけてみた。


ポリカの屋根を支える垂木の影になって、直接巣に水をかけることはできないが、

間接的に巣には水がかかる。

巣から蜂が数匹落ちていた。



しかし、襲ってくるような素振りはない。

柱に止まって休んでいるのか、羽を乾かしているのか。



水をかける前に、洗濯用洗剤の霧吹きをかけた時は、羽をバタつかせてきた。

威嚇だろうか。

急いで避難したが、その時も襲ってくることはなかった。




水をかけた後は巣から蜂がいなくなったので、棒で蜂の巣を落とすことにした。

本当なら水で蜂の巣が落ちればと期待していたのだが、なかなか丈夫にくっついていた。


そこで物理的に、ということになった。

巣に蜂がいないといっても、すぐ近く、30cm程のところに蜂が止まっているので

恐る恐る蜂の巣を突いた。


周りの蜂は動くこともなく、巣から蜂が出てくることもなかった。

無事に巣を落とすことに成功。


しかし、夜で暗く照明もないので、巣を回収することはできなかった。




翌朝、巣のあった場所を見てみると、確かに巣はない。

不思議なのは、床に落ちたはずの巣も見当たらなかったこと。


ベランダの床ではなく、地面の方まで落ちてしまったのか。

あるいは、蜂たちが持って飛んでいったのか。



いずれにしても、蜂の恐怖はベランダからなくなった。

安心して洗濯物を干せる。




ハチにせよクモにせよ、もっと恐怖心のわかない容姿をしていれば

共生する道も選びやすいのだろうが、そんな都合良くはいかないのだろう。

思考と実験の場

生まれた時からあって、何の疑問もなく暮らしてきた家。

家、生活、暮らし。ごく当たり前だったものを、住環境が変わったことで改めて考えるキッカケができました。

今までと同じ暮らし方をしていたら、そのまま過ごしていたと思います。

生活の中心となる家。暮らすとはどういうことなのか。生きること、その哲学とは。